「父親たちの星条旗」は第二次世界大戦、硫黄島でのアメリカ軍と日本軍の戦いを描いた作品。
監督はクリントイーストウッド監督です。
戦いから生き残った者たちの戦争後の苦悩や現実にフォーカスを当てた本作では、心に刺さる名言がいくつも登場しました。
本作の名ゼリフを振り返りながら見ていきましょう。
「父親たちの星条旗」名言まとめ
皆単純に考えたがる
「戦争を分かった気でいるやつはバカだ。特に戦場を知らぬ者に多い。皆単純に考えたがる。”善対悪””ヒーロー対悪者”。どちらも大勢いる。だか実際は我々の思うようなものではない。」
ドク
戦争の実態というのは、想像を絶するほど残酷なものだ。だが正当化しないと
「私が知る者は皆、あの戦場の話を嫌った。忘れたかったんだろう。彼らは自分を英雄とは思っていなかった。多くは栄光と無縁に散り、戦場での写真もない。見ていたのは仲間だけ。遺族には”国のために死んだ”と。本当はどうだか、あの日の写真には目を背けたいものが多い。戦争の実態というのは、想像を絶するほど残酷なものだ。だが正当化しないと。分かりやすい事実が必要だ。言葉などなくてもいい。」
ドク
あの日撮られた中で、たった1枚が歴史を変えた
「写真の効果は絶大だ。劇的な写真は時に、戦争の勝敗すら決める。ベトナム戦争で、南ベトナムの士官が捕虜を撃つ瞬間をとらえた写真、あの1枚でアメリカは負けた。敗北を認めようとしなかったが。あの日撮られた中で、たった1枚が歴史を変えた。バカげてるが事実だ。当時、国は破産寸前で人々は戦争にウンザリしてた。」
ドク
国民はこの写真を見て希望を抱いた
財務省のガーバーは「英雄」の3人に会うなり戦後国債の宣伝を頼みます。
ガーバーは人情味に溢れるタイプではなく、とにかく彼らを利用して国債が売れれば何でもいいという考えでした。
ガーバーは以下の様なセリフを残します。アメリカの財政状況を踏まえると、理にかなった考えでもありました。
「国民はこの写真を見て希望を抱いた。お粗末な写真だ。顔も分からんが、”戦争に勝てる”という気にさせてくれる。人々は君たちの為なら金を出す。だか君たちは希望よりここに写っている者の名前が重要か?まあ好きにしろ。間違いを認めたらそれだけが注目され、終わりだ。」
財務省ガーバー
ここにいちゃだめだ
式典の直後、酒に酔ったアイラが残したセリフ。死んでいった仲間たちのことを面白おかしく話題にしながら、言葉の裏にはどこか哀しみが感じられました。
「すごい騒ぎだ。マイクたちに見せたかった。ハーロンー!フランクリン!想像できるか?フランクリンがこの列車に乗って、銀のナイフとフォークでご馳走を食ってる姿。…ここにいちゃだめだ。」
アイラ
この直後、ドクはトンネルの照明を見て戦地の記憶がフラッシュバックします。
お陰で大勢が救われた。多くの命が
ドクの息子が尋ねたうちの、当時の戦友の1人が残したセリフ。
「君のお父さんが撃たれた時はひどかった。摺鉢山で勝負がついたと祖国では思っていた。我々もそう願った。あの時、部隊は立ち往生。追撃砲や機関銃の弾が四方八方から飛んできた。そして誰かが叫んだ、”衛生兵負傷!”と。首から血を流す彼に、ドクは懸命に処置した。負傷した衛生兵は、首に被弾することの意味を知っていた。助かるはずがない。だが、彼の目は”助けてくれ”と訴えていた。だが救えなかった。30分も探したよ、下手すりゃ失血死だ。自分がケガしてもなお仲間を助ける衛生兵など普通はあり得ない。逃げたいに決まってる。だがたまに、裏切れないという思いにかられる。君のお父さんがそうだった。戦場にはウンザリしてたろうに。離れたがらなかった。本当に立派な男だった。お陰で大勢が救われた。多くの命が。」
ドクの正義感の強さや相当な責任を背負って戦地に赴いていたことが伺えます。
ドクが、戦後も「衛生兵!」と呼ばれる幻聴をたびたび聞いていたのにも納得できるエピソードでした。
彼らにはすべてだと感じたのだろう
このセリフはドクの息子ジェームズの語りで登場したセリフ。
アイラは出所後、旅に出た。行き先はハーロンの父親の元でした。
「アイラは真相を告げた。あの星条旗の写真にはハーロンが写っていたと。それだけ伝え、彼は去った。自分(アイラ)には価値の無い旗だが、彼らにはすべてだと感じたのだろう。」
ドクの息子
最高の父親だったよ
父親ドクと息子の最後の会話のシーン。病室でこんな会話を繰り広げました。
「謝りたかった。いい父親じゃなくて悪かったな。もっと話したかった。私は…すまない。」
ドク
「何が?最高の父親だったよ。」
ドクの息子
ドクが戦争の話を息子にしなかったのは、人に話せるような話じゃないとそう感じていたからかもしれません。
ただドクの息子もそれを全て理解し、父を敬い認めていました。
覚えてるのはあの時のイギーだ
ドク・ブラッドリーの生前最期の言葉はこれでした。
「泳ぎに行った時のことは話したっけ?星条旗を立てたあと、山を下りて海水浴に行かせてもらった。おかしかったな。地獄の戦闘の後で、子供みたいに水しぶきをあげてた。覚えてるのはあの時のイギーだ。」
ドク
英雄なんてものはいない
本作ラストはドクの息子による語りで幕を閉じます。
「おそらく父の言う通りだ。英雄なんてものはいない。みんな、父のような普通の人間だ。父が英雄と呼ばれるのを嫌がった気持ちが分かる。英雄とは人間が必要にかられて作るものだ。そうでもしないと命を犠牲にする行為は理解し難いからだ。だが父と戦友たちが危険を冒し傷を負ったのは、仲間のためだ。国のための戦いでも死ぬのは友のため。共に戦った男たちのためだ。彼らの栄誉を讃えたいならありのままの姿を心にとどめよう。父がそうしたように。」
ドクの息子
このセリフの中に、本作の全てが詰め込まれているような、そんな気が個人的にはしました。
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