【考察】黒人キャッシュの正体は?エッグノッグって?「天使のくれた時間」
「天使のくれた時間」は2000年制作のアメリカ映画。
「独身でひたすら仕事をし、富を手にする人生」
と
「家庭を持ち、貧しいが幸せを手にする人生」
その両方を特別な力により体験することになった主人公ジャックの心情の変化を描いた本作品は、観た人の心を揺さぶる作品と言えるでしょう。
今回は、そんな本作を観て感じた感想や考察を記事にしました。
「天使のくれた時間」を観た感想
結論として、
結婚生活に疑問や悩みを抱えている全ての男性に観ていただきたい作品であることは間違い無いです。
23年前の映画ではあるものの、テーマは時代問わず「男なら誰もが抱いたことのある悩み」について描かれた作品だと思います?
その「悩み」が、
「孤高に生きて富を築き成功を手にするか、家族と共に行きて幸せな家庭を手にするか」
というもの。
実際私もそうですが、結婚後、家庭を持ってから、その「肩身の狭さ」や「独身時代との自由度のギャップ」に頭を悩ませ
「結婚なんかせず、1人稼ぎまくって富を築いた方が良かったんじゃないだろうか..」
と考えたことがある方も少なくないはず。
本作はまさにそんな考えを持っている方にピッタリ。
本作に登場する主人公ジャックは正に仕事に全てを捧げた男。
クリスマスも休暇も全て返上して仕事とお金を稼ぐことに重きをおいて生きている人物でした。
しかし本作を見ると、人生の大半の時間を削ってまで仕事に身を捧げるのはいかがなものなのだろうかと、疑問を抱きます。
ちなみに、タイミングよく「Kindle Unlimited」で読んでいた以下の書籍にもこんな記載があります。
1年8760時間のうち、仕事をしている時間はせいぜい2000時間程度。全体の約2~3割にすぎません。
人生の教養が身につく名言集 より
このデータからも「仕事に人生の多くを捧げること」は、幸福度を下げる要因になりやすいことが分かります。
仕事は程々に、やることだけやっておけば良いと私も今では思っています。
その代わり、家族や大切な人と過ごす時間を増やす方が余程大切なことではないでしょうか。
そんな仕事や人生に対する考え方を見直すいい機会にもなるのが、本作であったように感じました。
【考察①】謎の黒人「キャッシュ」の正体とは
本作に登場し、主人公ジャックに特別な力を与えたであろう謎の存在がコンビニで出会った黒人「キャッシュ」。
彼はジャックの名前を聞かずとも知っていた事からも、何か「神秘的存在」であった可能性は高いです。
個人的には「ジョーブラックによろしく」に登場した死神に近い存在かな?と勝手に考えていました。
また、邦題にもある「天使」的存在とは若干相違があるようにも思えます。
これは固定概念ですが、天使が銃を持ち歩いていたり、宝くじの当たりハズレで大騒ぎをするのって何となくイメージと違いますよね。。
個人的には、
特定の人物に人生における大切な「気づき」を与える神秘的な力を持っている「天使」とは違う存在
がキャッシュの正体ではないかと考察しました。
邦題はあくまで邦題。キャッシュが天使だという確証は一つもありません。
【考察②】主人公ジャックの体験した世界の謎
ジャックが体験した「異なる世界」は、結局なんだったのか明かされることのないまま、本作は幕を閉じます。
解釈は人それぞれですが、おそらくは「パラレルワールド」的世界にジャックは放たれたのでしょう。
ジャックは13年前、空港でかつての恋人ケイトに別れを告げました。
その別れを告げた直後の時間軸で「もしジャックが思い直して飛行機に乗らず、ケイトの元に帰ってきていたら…」そんな現実世界との同時並行的世界にジャックは一時的に飛ばされていた可能性が高いでしょう。
黒人のキャッシュがどういう方法や発動条件でこの「パラレルワールド」にジャックを送り込んだかは不明です。
ただ、富を手にし「全てが足りている」と豪語していたジャックに「家族の大切さ」や「独りでいることの寂しさ」を教えるために何か特別な力を作用させたのでしょう。
【考察③】邦題と原題の解釈
本作は邦題と原題に意味の異なるタイトルが付けられています。
- 邦題→天使のくれた時間
- 原題→the family man
原題は直訳すると
「家庭的な男性」「マイホーム主義者」「所帯持ちの男性」
と言った訳になります。
原題はややありきたりにも思えますが、タイトルだけでは逆に「どんな映画かな?」と興味をそそられるタイトルでもあります。
一方の原題「天使のくれた時間」はまさに映画内容通り。
黒人キャッシュのことを「天使」と表現しているのか、まさにジャックには特別な力により本来であれば経験できないであろう同時並行的世界を貰うことができました。
その「特別な時間」の影響からジャックはケイトと結ばれる運命へと進んだことから捉えるとまさに黒人キャッシュは「恋のキューピット」
天使と表現したのにはそんなニュアンスが含まれていたのかもしれませんね。
【おまけ】作中に出てきた「エッグノッグ」って?
日本人には馴染みがあまりない「エッグノッグ」は北米で人気の飲み物。
主にはクリスマスとか年末のイベントでよく飲まれるのが特徴です。
イメージとしては、国内では「ミルクセーキ」が材料的にも近い味わいなんじゃないかなと思いました。
まとめ
人生をどう生きるかは自分次第。ハンドルを常に握るのは自分自身です。
1人で孤高に生きてお金をたくさん稼ぐ人生も素晴らしいとは思います。誰もが一度は憧れる生活ですよね。
ただ、多くの人は孤独な時間があまり好きではありません。
どうせ一度の人生なら大切な人と家庭を築き、家族で幸せを作っていく。そっちの方が幸せに感じる方は多いはず。
本作はそんな人生の生き方について考えさせてくれる作品でした。出会えたことに感謝。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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