つまらないと評価された理由とタイトルの意味を考察(フルメタルジャケット)
フルメタルジャケットが世間的につまらないと評価される理由ってなんでなんだろ?
映画タイトルの意味はなに?
こんな疑問について考察します。
「フルメタルジャケット」がつまらないと評価された理由
一部映画ファンから本作が「つまらない」と評価されてしまった訳はおそらく以下の様な理由によるものです。
- 戦争映画特有の激しい戦闘シーンがないため
- 名監督の作品のため、期待値が上がりすぎていた
- 迫力に欠けた映像演出
本作では、戦争映画特有のいわゆる「ドンぱちシーン」とも言われる戦闘の場面がほとんど登場しなかった為、戦争映画ファンからの反応がイマイチだった可能性は高いでしょう。
また、「スタンリーキューブリック監督作品」という肩書きだけが独り歩きし、本作の概要もあまり知らないまま視聴した一部映画ファンが期待値ばかりあげてしまった結果、低評価に繋がった可能性も考えられます。
そして、時代的にも古い映画に部類される本作。近年のど迫力映画に比べると演出面や映像技術面で劣ってしまうのは仕方ありません。
これらの理由が相まって、低評価に繋がったと考えられます。
フルメタルジャケットは「人の内面」を描いた作品
本作は、激しいドンぱちシーンやグロテスクで悲惨な戦場のリアルを主軸にした作品というよりかは、「戦争が人の内面に与える影響」を描いた作品です。
戦争は「正義」と「正義」のぶつかりあいです。
「平和」を主張したヘルメットを被り戦場に赴いた主人公も、残忍な狙撃兵と化していたベトナムの少女も、どちらも原動力にはそれぞれの「正義」があったはず。
そしてどちらも戦争の狂気に取り憑かれていました。本作ラストシーンで自らを殺すように懇願していた少女はおそらく、その狂気から逃れたいという気持ちから発された言葉だと考えられます。
そういったメッセージ性を含んだ本作には、派手な戦闘シーンは必要ないと監督は考えたのかもしれません。
タイトルは「人の二面生」を意味するもの
ちなみに、本作の映画タイトルが意味するものは、「人間の二面性」を揶揄したもの。
「フルメタルジャケット」を直訳すると以下のような意味合い。
「銃弾の被覆鋼、完全被甲」
引用元:英次郎
これは、銃弾がメタル被膜で覆われている状態が人間と同じだという意味合いというのが有力な説です。
人は誰しも、狂気を持ち、平和を願う人道的側面を持つ、いわば「仮面」を被った存在。
スタンリーキューブリック監督は、そんな人間の二面性の持つ怖さを描きたかったのかもしれません。
映画冒頭、ローレンス【通称:ほほ笑みデブ】が海兵隊の仲間たちに暴行を受けたシーンは特にそれを象徴しています。
戦争の怖さの根底には、人間の怖さそのものが根付いていることを訴えているのかもしれません。
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