【理想の母親】ガンプ母の人柄や名言を深掘り(ネタバレあり)
映画「フォレスト・ガンプ」は1994年公開のアメリカ映画です。
主人公ガンプの波瀾万丈な生涯を描いた本作は多くの人の心を惹いてきましたが、本作の魅力の一つに「キャラの濃い登場人物の存在」が挙げられます。
その中でも数多くの名言を残し、ガンプを常に支えてきた人物の1人が母・ガンプでしょう。
今回はそんなガンプ夫人の人物像や残してきた名言に着目し、彼女がいかに理想の母親であったかを振り返っていこうと思います。
母ガンプは息子の為なら”なんでも”できてしまう強い女性
映画「フォレストガンプ」の中でも賛否両論と言えるシーンが冒頭にある「ガンプ母と校長先生のシーン」でしょう。
知能指数が低いガンプを公立の小学校に入学させたいガンプ母親でしたが、IQが入学最低ラインに達していないことを理由に校長はそれを拒否。
そんな校長に対し、「何か方法があるはず」と強気な交渉の姿勢を崩さなかった母親。それに対して校長は「旦那さんはいらっしゃるのですか?」と話を切り出しました。
その後は校長と母親の性交渉を想起させるシーンが映し出されます。
このシーンに関しては賛否両論、母親を批判する意見や校長を悪役に見立てる意見など様々かと思われますが、母親はガンプの将来の為ならなんだってやってのける覚悟があったのでしょう。
そんな憶測を確信させるのには十分なシーンでした。
とはいえ家族みんなで観ていた方には気まずい想いをさせる場面でもあるのは言うまでもありません。
ガンプの父親はどこに行ったのかを考察
ちなみに作中でほんの少ししか触れないので割とスルーされがちですが、「ガンプの実の父親」ってどんな人でどこに行ってしまったのかって結構謎が多いですよね。
作中で唯一出てくるヒントとしては、母親のセリフからもある「お父さんは休暇にいっている」と言うもののみでした。
あえて「休暇」という表現をするからには「死別」ではない可能性は高いです。
以下に関してはあくまで個人的な考察に過ぎませんが、
- 知能指数の低いフォレストを授かったことにより育てられる自信がなく妻・子ともども捨てていなくなってしまった説
- その場限りで体の関係になってしまった異性との間に授かった説(実家では旅人を泊めてあげる民宿のようなものを営んでいたため)
なども可能性としては考えられます。
それ故、ガンプ母は現代で言ういわば「シングルマザー」として、フォレストのことをたくましく一人で育てたのでした。
常にフォレストの立場に立って物事を説明した母親
フォレスト母は、常にガンプが理解できるような言葉で物事を伝えていました。
- 人生⇒チョコレートの箱のようなもの
- 足の補装具⇒魔法の靴
- 休暇⇒どこかへ行って、戻ってこない事
- 死⇒人生の一部、誰にでも訪れるもの
など、どれも母親の優しさと愛情がこもった言葉に感じられます。
ですが、「休暇」のことを説明しているシーンなどの母親の表情からは、どこか寂しさや哀しさも読み取れます。
夫となるべき人がいなくなり、ガンプと二人きり、母親1人で育てなければいけないその状況は、私たちの想像もつかないような苦悩が裏側にはあったのかもしれません。
「フォレストガンプ」の名前の由来
作中では主人公「フォレストガンプ」のその名前の由来についても明かされていました。
「フォレスト」は、南北戦争で名を挙げた将軍「ネイサン・ベッドフォード・フォレスト」から由来しているとされています。
※母親の言う通り、将軍とガンプ親子が本当に血がつながっているのかは不明
フォレスト将軍は「クー・クラックス・クラン(通称KKK)」という白人・北方人種至上主義を唱える団体を設立したとしても有名な人物です。
このKKKですが、白い三角巾とガウンを身にまとって当時の黒人居住区息を練り歩くという(一種の嫌がらせ)活動を行っていたことでも有名な人物。
フォレスト将軍に限らず、人間というのは人それぞれ多様な思想を持っています。それゆえ、時に無意味でバカなことをしてしまうこともあるでしょう。
以下のセリフからもありますが、それが「フォレストガンプ」の名前の由来です。
「人間は、時々無意味でバカなことをする」ってことを僕に思い出させるためのフォレストなんだって、ママが言ってた。
フォレストガンプ
ガンプが大人になってからも深く考えさせられるような、名前の由来と言えますね。
戦地に息子を送る母親の心情
大学を卒業したガンプのもとに「陸軍入隊案内」が来たことでガンプは陸軍への入隊へと進みます。
トントン拍子でガンプは軍隊の生活に染まっていき、あっという間に戦地へ旅立つことになりました。
母親は「無事に戻ってくるのよ。」とだけ言い聞かせ、息子ガンプを戦場ベトナムへ送り出します。送り出しの言葉は短いものでしたが、どれだけも思いが詰まっていたかは想像を絶するものでしょう。
死ぬ間際に見せた母親としての”最後の優しさ”は必見の価値あり
エビ取り業が波に乗ってきた矢先、ガンプのもとに母親の危篤の連絡が飛び込みます。
急いで自宅に戻ったガンプの目に飛び込んだのは、病気により弱ってしまいながらも笑顔を見せる母親の姿でした。
「死を怖がらないで。生の一部なんだから。誰も逃げられない運命なの。」
ガンプ母は、自身が死んでこの世から居なくなってしまう事の不条理さを、息子ガンプに何とか伝えようとしました。
母親自身、自分の病状が良くない事、死期が近いことは悟っていたはずですから、それは当然怖かったでしょうしとてつもない不安だったとは思います。
そしてガンプを残しこの世を去らなければならなくなった時の母親の心情は、きっと様々な想いがあったはずです。
ですが、息子ガンプの前で母はそういったネガティブな顔を一切見せませんでした。
弱みやネガティブな一面を見せないことで、「死は怖くないもの」だということを体現しながら息子ガンプに最後に伝えたかったのかもしれません。
死期を前にしても尚、母親としての役目や優しさを示したガンプ母は母親として完璧な振る舞いを見せたと言っても過言ではないでしょう。
まとめ
本作は母ガンプに着目して映画を観なおすと、その愛情や優しさ、そして強さをより感じられます。
ちなみに個人的には、ガンプ母の
「若いころの強くたくましい美しい時代」も
「年を取った優しさと愛情あふれる姿」どちらもたまらなく好きです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
コメント
コメント一覧 (4件)
ブログ主さん はじめまして フォレスト母はたくましく強いですね
たぶん父親は おそらくは子供を育てる自信がなくて出て行ってしまった説が有力のように思えます。
校長先生とのやりとりで 「息子さんの知能が基準値IQ80に達していませんので公立学校ではなく養護学校へ入学することを進めます。」
しかし フォレストママは「少し鈍いかもしれませんが 養護学校へはやるつもりはありません 養護学校で特別な事を学ばせるというのですか?たった5点足りないだけじゃないですか」と反論しています。
けれども、フォレストの持ち前のピュアさは かりに養護学校へ入学する展開になってたとしていても 障害を持っている仲間になってたであろうクラスメートたちに希望の光を与えて ふさぎこんでいた気持を前向きにさせたり 人生観を変える力はあったと思いますよ。
<夫となるべき人がいなくなり、ガンプと二人きり、母親1人で育てなければいけないその状況は、私たちの想像もつかないような苦悩が裏側にはあったのかもしれません。>
シングルマザーは大変ですよ。昔も今も。逆にシングルファーザーのケースでも大変だったとも思いますよ。
だから ママ自身 フォレストを育てるうえで疲れがあって 男性のぬくもりが欲しい時があったのではないでしょうか?もちろん フォレストを公立学校へ入学させたいがためでしょうが ママも人間ですから”弱さ”もあったともいます。でも母親としていつも毅然としていてそれは
息子に見せないようにしていたんですよ。
それと・・・・校長先生もママとの関係で 今後もズルズルと続けさせるような悪どい事をやっていないので、校長先生自身は 悪い人じゃないと思いますよ。
これは 言い方がちょっと汚いですが僕個人的には 行為の後 「ハイ、お疲れ様」って校長の立場とか母親の立場とか関係なく 汗かいて疲れているふたりに タオルを差し出してあげたい。
このことは「見なかった聞かなかった知らなかった」と自分の胸の中にしまって。
thong man様
はじめまして、コメントありがとうございます。
【母親自身の弱さ】や【校長先生を一概に悪人としては見ず、優しさを感じた】という意見、非常に面白さを感じました。
あくまで映画であり作品ですから、裏ではガンプ母にも女性としての弱さが多少あってもおかしくはないですね。
そして校長先生は結果的にガンプをほぼ無償(?)で例外的に入学を許可してますし、金銭を要求されたりした訳でも無いことを考えると校長なりの優しさもあったのかもしれませんね。
新たな視点ご意見、参考にさせていただきます。
タケオさん おはようございます
うわっ コメント返信早っ( ゚。゜
このシーン 母親から話を持ちかけたのでしょう、ぜったい校長先生からじゃない。理由はそんな校長という立場のある人が保護者とそういう行為に及ぶこと自体が危険すぎます。外でだれが見ているのかわかりませんからね(;^_^A
でも、ママも 「このことは誰にも言いません、もちろん息子にも。あなたの事も黙っておきますし悪いようにはしませんから」とゴリ押しかつ慎重に話し合ってお互い合意したって感じがします。
内心は母親と校長先生、お互い誰かに見られてはないかって怖かったんだと思いますよ。リスク高いです、そういう行為は(;^_^A
やっぱり僕は最初の面談で 前コメントでも書きましたように 養護学校に入学していたほうがよかった気がします、ママは「養護学校へ行って特別な事を習うんですか?私は息子をタイヤ工に就かせるきはありません」って強気でしたけれど フォレストのずばぬけた周りに溶け込める柔軟性や優しさは 養護学校へ行って障害のあるほかのクラスメートにもきっと前向きにさせれていましたよ。
ダン中尉のときでもそうでした。 本人は名誉の戦死をとげるつもりが 生き残った。しかし代わりに負傷して足を失ってふさぎこんでいたじゃないですか。
「オレは名誉の戦死を望んでいたのに おまえがそれをブチこわしたんだぞ!おまえにおれがどんな気持ちでいるかわかるのか!!!」って 自暴自棄になっていたのをそれでもフォレストは見捨てなかった。 心の支えで ダンを立ち直らせていましたよ。
まあ、いろんな選択肢がありました そこはまさに母親の言葉
「人生はチョコレートの箱のようなもの なにがはいっているかわからない」につながってゆきます。
thong man様
またまた面白いコメントをありがとうございます。
ガンプが養護学校に通うようなパラレルワールド的展開も見てみたくなりますが、ガンプがラストシーンで言っていたように、おそらく「運命は決められてもいるし、風にさまよう羽のような物」でもあるのでしょう。
もしガンプが違う人生を歩んでいても、最後は風にさまよう羽の様にガンプとジェニーは一緒になっていたんじゃないかとそう考えるのも面白いですね。