【ネタバレ注意】ラストシーンを考察 カイルは何故殺された?(アメリカン・スナイパー)
映画「アメリカンスナイパー」は2015年公開の戦争映画。戦争により発症した精神疾患の苦しみを描いた本作は、ラストシーンの衝撃的な展開に多くの観客が驚かされました。
今回の内容では、何故帰還兵ルースは彼を気にかけてくれていたカイルを射殺してしまったのかについて考察していきます。
【アメリカンスナイパー】ルースがカイル含む2人を射殺した理由を考察
ルースがカイルを射殺してしまった動機に関しては諸説ありますが有力な理由としては以下が考えられます。
- PTSD発症によりパニックに陥っていた為
- ドラッグ、アルコールの影響による幻覚・幻聴の為
- (精神疾患の)症状が落ち着いているクリスを妬ましく感じた為
- 「英雄」を殺すことで評価を得られると考えた為
中でも最も濃厚なのは1番。
PTSD症状の代表例は「音」などの環境要因を起因としてフラッシュバックが起きパニックに陥るものです。
もしかしたら、
「クリスが渡そうとしていた銃器から発せられた独特な金属音」や「銃器を手に取った瞬間に感じた独特な重みと感触」
がルースに取って良くないフラッシュバックを起こさせたのかもしれません。
また事件当日の朝、ルースは酒を飲んだ上にドラッグを使用していたという記録も残っています。
殺してしまった理由はどれであれ、当時のルースの精神状態は非常に不安定かつ危険な状態であったことが読み取れます。
米国死刑囚の1割が「帰還兵」
2015年調査の報告書によるとアメリカにおける死刑囚は、その10%程を「退役軍人」が占めているとされる調査内容が発表された。
日本に住んでいるとあまり実感の湧かない事実ですが、米国では社会問題レベルです。
現実の戦争の被害は、決して戦地だけではなく地球上のあらゆる所にまで及んでいることがこの記事からもわかります。
「アメリカン・スナイパー」でエンドロールが途中から無音に作られた理由
本作を観た方の中には「エンドロールで途中から無音になったのが印象的だった」と感じた方も多いのではないでしょうか。
映画のエンドロールの定番といえば、感動的なエンディングテーマと合わせて流されることが多いもの。
この物珍しいエンドロールには、
「戦場から生きて帰ることができればハッピーエンドなんじゃないか」という視聴者の浅はかな予想を裏切る本作のメッセージが、エンドロールには存分に含まれているようにも感じました。
「ラストには何かハッピーエンドに繋がるストーリーがあるんじゃないか」
「エンドロールでは感動的な音楽が流れ、幕を閉じるのではないだろうか」
という見ている側の淡い期待をうちのめすような「無音演出なエンドロール」。
本作のラストを締めくくるのに一番ふさわしいエンドロールと言えるでしょう。
映画「プライベートライアン」でも戦争による心的ダメージは描かれていた
戦争の影響からくる心的ダメージを描いた作品としては「プライベートライアン」も有名です。
生きて帰ったとしても心が殺される、それが戦争なのかもしれません。
まだ観れていない方は無料トライアルなどを駆使して、ぜひ見てみてくださいね。
>>【考察】ミラー大尉の手の震えの原因とは(映画プライベートライアン)
お読みいただきありがとうございました。
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