2005年公開の「チャーリーとチョコレート工場」を始めてフルで観ることができました。この作品は多くの映画賞を受賞している様です。
ただ、一部の映画ファンからは「なんでそんな人気なん?」と疑問の声もあるようなので、今回は実際に私が本作鑑賞して感じた人気の理由や気になった部分を考察しました。
結論、独特かつティムバートン監督にしか出せない圧倒的世界観と、多くの世代に響くストレートなストーリーが本作の魅力だと感じました。
チャーリーとチョコレート工場が人気の理由
まずなんでこの作品がここまで人気なのか、詳しい理由について解説していきます。
圧倒的な世界観
まずは間違いなくこれ。
ティムバートン監督にしか出せない「個性的すぎる世界観」が全面に出ていたのが本作だと思います。正直世界観がクセ強すぎなんです。(褒めてます)
誰しもが子供の頃に一度は夢見たお菓子の世界を、映画化したのがこの作品ですよね。本当にゴールデンチケットが配布されたら同じ様に富豪が買い占めたりするんだろうなと感じました。
そして何となく視聴開始した私もあまりの世界観にいつの間にか没入。
(いい意味で)監督の頭の中はどうなってしまっているのか、気になって仕方がなくなりました。
美しすぎる映像美
また、その世界観を全く濁すことなく、監督の意向通りに映像に表せていたのも本作の魅力。
ウォンカの作ったチョコレート工場は、誇張なしでまさに夢のような世界でしたが、その美しさと素晴らしさが完璧に映像として映し出されてました。
そしてCGに全て頼らず一部(工場案内の冒頭で現れたチョコの川が流れる空間)は実際にスタジオに空間を再現して撮影に挑むなど、変態的なこだわりが見られます。
※ちなみに大量のチョコは本物に似せた粘度を持つ液体。その他お菓子は本物を使用との逸話が残されています。
また、カラフルで色彩豊かな工場とは一変して、周辺の市街地は色合いがなくモノクロに近い演出も、「夢と現実のギャップ」をうまく表現できている様に感じました。
どの世代にも刺さる内容
本作は端的にまとめると「家族の話」でしたが、子供の頃に見ても楽しめるし、自分が大人になってから観るとまた見方が変わる内容だと思いました。
親目線で観てみると、子供への愛情ゆえの厳しさや素直になりきれない微妙な心情が、より鮮明に伝わってくることでしょう。
老若男女どの世代が観ても楽しめるストーリーは、確実に本作の人気の理由でしょう。
短くて分かりやすいストーリー展開
また、上映時間の短さは映画作品を観るまでのハードルを下げてくれますが、本作の上映時間は1時間55分と比較的短め。ここも人気の理由かなと思っています。
いくら名作と言われていても、上映時間が長すぎるとそれだけで観ることを躊躇する層も多くいるはずです。
そして観ていて飽きないストーリー展開と小さい子供が見ても解釈のしやすい内容も、本作の人気を高めた理由だと思いました。
キャスティングの素晴らしさ
案外見落としがちですが、この映画のキャスティングは抜群過ぎませんか?
ウィリーウォンカの絶妙な表情や立ち振る舞い、一つ一つのセリフの表現をあそこまで完璧に演じられるのは、おそらく現代ではジョニーデップだけでしょう。
そしてストーリーの鍵を握る謎の小人(ウンパルンパ)も適役すぎます、、

ウンパルンパ達の少し気味が悪く、でも可愛らしいなんとも言えない雰囲気は、この方にしか出せない味だなと観ていて常に感じていました。
「チャーリーとチョコレート工場」の謎を考察
作品を見終わって気になった部分や謎を考察してみました。
「ウィリーウォンカ」はティムバートンの幼少期を投影した存在?
本作を鑑賞して感じたことは、「ウィリーウォンカの存在はティムバートンの幼少期を投影させた存在なのではないか」という仮説です。
実際にインタビューでは以下のような言葉を監督は残しています。
「実は僕自身は子供の頃、決して仲の良い家庭で育ったわけではなくて、よその家庭を『あぁ、うらやましいな』という思いで見てたんだ。でも後々、我が家に限らず、どの家庭もおかしな部分をはらんでいるということに気づいたよ。それは富裕層や中流家庭、貧しい家庭といったあらゆる区別を超越して、全ての家庭にある。それこそが家族の“リアル”なんだと考えるようになったし、その点は映画に表れていると思うよ」
自分も今小さい娘が居て、家族を養ってみて感じることですが、「子育て」とか「父親像」に対する正解は、あってないような物だなと思うんです。
だから家庭ごとに特色があって変な習慣とかおかしな部分が少なからずあるんじゃないかなと。それが決して悪いものばかりじゃないでしょうが、時に子供に対して悪影響を与えることもあるでしょう。
ウィリーウォンカの様に厳格な父に育てられ、自分の興味関心(作中ではお菓子に対する好奇心)を真っ向から否定されると、それに反発して子供は物理的にも心理的にも離れてしまいます。
とはいえ全ての欲求を肯定して全ての欲しいものを与えればいいのか、それも絶対間違っていますよね。
そんな監督の幼少期から、「子育てのあり方」「親子の関係性」について、ファンタジー満載で描いていたのが本作だったのではないかなと個人的には解釈しました。
ウィリーウォンカは子供が嫌い?
作中、ウォンカ(ジョニーデップ)はチャーリー以外のワガママ子供たちと話すときに嫌悪感を滲ませた何とも嫌そうな顔をしていましたが、彼はただただ子供が嫌いだったのか。
この問いに対する答えは、半分正解で半分が間違えだと思っています。
ウィリーウォンカは基本的に人が好きだったはずです。自分の作った天才的アイデアのお菓子を売ることで、子供はもちろん多くの人を喜ばせたいと思っていたのは間違えないでしょう。
しかし、工場内で多発したスパイの存在が大きな影響を及ぼし、人間不信になるとともに「私欲にまみれた人間」が嫌いになったのではないでしょうか。
結局スパイ活動をして彼のアイデアをパクっていた者たちは、「目先のカネ」欲しさに裏切った形になります。
その為、ウィリーウォンカは、私利私欲にまみれた欲求モンスターの子供たちには嫌悪感を抱いていた可能性はかなり濃厚です。
私自身も子供は基本好きですが、ワガママ放題の生意気な子供は得意ではありません。。
「工場見学」はウォンカの復讐だったのか
工場見学はウォンカが子供達への復讐のために企画をしたのか。こちらに関しても半分正解であり、不正解でもあったかと思っています。
作中でも明らかになっていますが、当初の目的は「ただの工場の後継ぎ探し」です。
ただ自分のコピーとなるべく「純粋な心を持つ子供」を探していましたが、チャーリー以外の子供たちは自分の欲求を抑えることができない「欲求モンスター」。彼らは(ほぼ勝手に)候補から脱落していきました。
ただ、強いて言うとしたら子供に対してと言うよりかは「親に対して」多少の復讐心はあったのではないかなと思います。
ウィリーウォンカは幼少期の記憶から、「親」に対するコンプレックスに近いトラウマを抱えていました。
街で有名な歯科医師だったウォンカの父親は、お菓子好きなウォンカに対して一切のお菓子を与えず、矯正器具を取り付ける程、歯の健康に対してこだわりを見せた教育を徹底していました。
幼少期のウォンカは、父親に対して「自分のやりたいことを邪魔する存在」と悪い方向に誤った解釈をしてそのまま育ちました。
しかしそんなウォンカの前に現れた5人の子供たちは、チャーリーを除いて皆、自分のやりたいこと食べたいもの欲しいものを制約されず、ワガママ放題に育った、「欲求モンスター」でした。
そんな子供達を見れば、過去の自分と照らし合わしてウォンカがよく思わないのは自然な成り行きですよね。
ワガママ放題な子供たちに痛い目に遭わせることで、その当事者となる「親」に対して戒めとしていた可能性は高いでしょう。
【おまけ】「チャーリーとチョコレート工場」好きにおすすめの映画
本作が心に響いた方には、同じくティムバートン監督の有名作品「ビッグフィッシュ」もおすすめです。
あらすじを要約すると「仲違いしていた父と子がお互いを理解し合うまで」を描いた作品ですが、本作と比べるとかなりリアリティーのある作品(それでもティムバートンワールドは濃いですが)です。
「ビッグフィッシュ」をどこで観れるのか、については以下の別記事で紹介しています。ぜひ観てみてください。

まとめ
一見、ただのファンタジー映画かと思いきや、真剣にみてみると実は「家族観」まで考えさせられるティムバートン監督の有名作品である本作は、もっと多くのお父さんお母さん世代に観てもらいたいなと感じさせてくれる映画でした。
私も仕事終わりに疲れ切った電車でぼーっと見始めたのですが、あの没入感は他の映画では中々得られないレベルでした。
今後もまた見返した際には、気がついた考察を追記して行く予定です。
お読みいただきありがとうございました。












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