宮部機に弾が当たらなかった理由を解説!マジックヒューズとは?(永遠の0)
映画「永遠の0」のラストシーン、どうして宮部機にアメリカ軍の弾がほとんど当たらなかったのか疑問を抱いた方も多いでしょう。
今回は、
このあたりを解説して行きます。
宮部機に弾が当たらなかった理由
結論からまとめると、宮部は低空飛行から機首を捻りながらスライド飛行する技術を駆使したことでアメリカ軍の砲撃や射撃をほとんどかわしながら特攻を成功させたことになります。
厳密には左翼に一発被弾しましたが、近接弾では致命打に至らず、米軍は撃墜に失敗したと推測されます。
「マジックヒューズ」とは何か
「マジックヒューズ」は「近接信管」とも呼ばれる当時のアメリカ軍が多用していた対空砲火の名称です。
「マジックヒューズ」は砲弾から電波を発し、その電波の一定範囲内に敵機が入ると自動炸裂し、その範囲内の敵機を撃墜する仕組みの対空砲でした。
海面スレスレを飛ぶ宮部機の手前で砲撃が炸裂していたのは、海面の反射で砲弾の信号が誤作動を起こしていた為です。
500ヤードはおよそ457メートル
米軍は「艦船までの距離が残り500ヤード」を切った時にかなり焦っている描写が映し出されていました。
ちなみに500ヤードは距離に換算するとおよそ457メートル。
そして当時の対空砲火の命中率も決して高いものとは言えず、一説では
- 通常信管: 約0.18%
- VT信管: 約0.56%
程度の命中率しか担保されていませんでした。
そのため最高速度が時速500キロを超えることもあったとされるゼロ戦の加速力から推測しても、その範囲内まで到達されるとほぼ撃墜は不可能に近かったと考えられます。
左翼に被弾した宮部機が撃墜されなかった理由
一発被弾した宮部機が撃墜されなかった理由は、対空砲の種類が関係します。
当時のアメリカ軍は
- 約127ミリ高角砲(マジックヒューズ)
- 40ミリ機関砲
- 20ミリ機関砲
の順で砲撃する形が主流でした。
海面スレスレを飛ばれたことで撃墜できなかったアメリカ軍は40ミリ→20ミリ機関砲と使用する武器を変えましたが、これらの命中率は低い上にスライド飛行していた宮部に命中させることは至難の業。
結果被弾させることができたのはおそらく20ミリ機関砲。そのため、宮部は致命打を受けずに特攻を成功させたと推測できます。
まとめ
ラストシーンの宮部(岡田准一)の浮かべた笑みには色々な感情が込められていた事でしょう。
正直答えはあって無いような物のように感じられます。
本作のラストシーン、宮部の飛行テクニックやラストシーンの笑み、宮部機が被弾しなかった理由を改めて観たい方は是非見直し鑑賞してみてください!
お読みいただきありがとうございました。
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