【考察】ラストシーンの意味とは?映画「父親たちの星条旗」
何故ドクは息子に謝った?
回想の海水浴シーンは現実?ウソ?
こんな疑問に関しての考察記事です。
「父親たちの星条旗」は、2006年公開の戦争超大作。
心に刺さる本作ラストシーンは、初見では理解しきれなかったという方も少なくないはず。
- 「ラストシーンの意味を知りたい」
- 「父親が息子ジェームズに謝った理由を知りたい」
上記のように感じた方はぜひお読みください!
「父親たちの星条旗」ラストシーンを考察
何故ドクは息子ジェームズに謝った?
ドクが息子ジェームズに最期謝ったのは、自身の話しをしっかり伝えられずに最期を迎えてしまったからでしょう。
ドクは自分のことを「ダメな父親だった」と謝ります。
では、何故ドクは息子としっかり話しをすることが出来なかったのか。
ドクが自分の話しを息子に伝えられなかったのには、生い立ちの話をするにはどうしたって戦争の話題を避けては通れなかったからではないでしょうか。
ドクは挙式を挙げたレイニーとの会話で、「戦争に行ってない連中とは話しづらい」と話していました。
戦争の現実や凄惨な記憶を本当に共有できたのは当時の戦友のみで、あまりに過酷な記憶は息子や家族に話す内容ではないとドクは判断したのでしょう。
かと言って、まるっきりウソをつくのもドクの性格的には許さなかったのかも。
ウソに塗り固められた「英雄扱い」を受けることを嫌っていた時の同じようにです。
その結果ドクは、息子とはしっかり話しをすることが出来ず、最期を迎えてしまったのでしょう。
海水浴の回想はウソ?現実?
本作のラストシーンは、ドクが戦友たちの海水浴をしてはしゃぎ回るシーンで幕を閉じます。
兵士として戦闘していた者達のまさに「ありのまま」の姿がそこには映し出されていました。
このラストシーンでの個人的な解釈としては、ドク自身のウソと現実の入り混じった回想だったんじゃ無いかなと考察しました。
実際、上官の許可を得て、旗を立てた後に海水浴をした経緯はあったのかもしれません。
ただ、時系列的に考えると戦友の一部は既に戦死していた可能性も考えられます。
回想の中で登場した海のシーンは、いわば死後の世界や天国のようなもの。
ドクが一番最後に仲間に呼ばれて、海に飛び込むのにも、「あの世に逝く」ことを現した映画的演出として考えられます。
また、戦友達は海に入る前に軍服や武器を脱ぎ捨て「ほぼ下着姿」のありのままの姿で飛び込みました。
この描写にフォーカスをあてた映像の撮り方をしていた点に関しても、
- 兵士は誰一人として英雄なんかではなく、ありふれた普通の人間
- 死して初めて「戦争」や「軍隊」からの呪縛から解放された
ことを表していたように感じました。
まとめ
以上、個人的な考察でした。
「死後の世界でも、ドクの戦友たちはみんなありのままの姿で暮らしいているかもしれない」
あくまでも夢物語かもしれませんが、そんな結末を少しだけ望めるようなエンディングでした。
また、本作の中には心に刺さる名言も多く登場します。名言まとめは以下の別記事でも紹介しています。
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