映画、「ターミナル」は2004年アメリカ公開のヒューマンドラマ。
監督はかの有名な名匠スピルバーグが手掛けています。
今回は、何故ビクターは空港内でヒーロー的存在になる事が出来たのか、について触れていきます。
個人的な見解からですと、ビクターが空港内でしてきた事は二つのことのみだったと思っています。
ちなみに本作に限らず映画はニ度三度と見返すことで新しい見方が出来ることが非常に多いです。
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ビクターが空港内でしたのは「信じて待つこと」のみ
本作を通してビクターが行ってきたことをまとめると「信じて待つこと」をしたのみと言えます。
世の中は「待つこと」ばかり
改めて考えてみると、日常生活でも私たちは何かを心待ちに「待つこと」を連続的に行っています。
大事なのは「どういう姿勢でそれを待つか」。
その時をイライラして待つ人もいれば、ビクターのように前向きに、希望を持って待つ人もいるでしょう。
ただどんな人にでも共通していることが、「待つこと」は「何かを信じること」をしていないと決して成し得ないことでもあります。
「フォレスト・ガンプ」ラストシーンとの共通点

同じくトムハンクス主演の名作「フォレスト・ガンプ」のラストシーンにも本作と通ずるところがありました。
それがラストシーンのガンプのセリフ、「ここで待っているよ」というもの。
これはスクールバスに乗る息子ガンプへ対して発せられたセリフでした。
オマージュなのか偶然なのか、、
監督は違えど視聴者に伝えたいメッセージ性としては、何か通ずるものがあるのかもしれません。
ビクターの信じたものとは
ビクターの信じたものは「自分」でもあり、「全ての他人」だったのかもしれません。
本来の目的(ジャズプレーヤーのサインを貰いに行くこと)を行う自分をビクターは常に信じていました。
「自分にできる事はそれしか無い」と。
また、「法令遵守よりも人情を優先する自分自身の考え」が正しいと信じたからロシア人を救う決断も取りました。
そしてどんな他人に対しても「疑うこと」はせず常に信じる姿勢でいたのもビクターの良い部分の一つ。
ディクソンに何度ハメられそうになっても、グプタのついた嘘(火曜に来れば回収した食べ物券を返してくれる)も、良くも悪くもビクターはバカ真面目に他人を信じていました。
そして何より母国である「クラコウジアでのクーデター」が必ず収束する事も常に信じていました。
こう言ったビクターの姿勢は、真の愛国心とも言えるかもしれません。
ビクターは、一見簡単そうに見えて実はかなり難しい「待つ姿勢」を常に崩しませんでした。
あなたは誰かを信じて待ち続けることができますか?
私は、、相手によっては疑念を抱いてしまう時もあるかもしれません。。
もしかしたら人生における大切なことの一つに「誰かを信じて待ち続けること」があることを本作は示していたのかもしれませんね。
「他人に無関心な人々」の描写は社会風刺
本作冒頭で描かれていたのは、「他人に対して無関心な人々」の姿。
国を失い途方に暮れているビクターをディクソンは煙たがりとりあえず、空港内に放置。
英語が分からず途方に暮れていたビクターに対して空港内の道行く人は誰一人として助けの手を差し伸べず通り過ぎるのみ。
でもこれってビクターや映画内に限ったことじゃなくてアメリカ社会として、現代のあらゆる国内における問題として当てはまる部分も多いんじゃないかなと思います。
結局人間は自分が1番大切。他人に対する興味が薄い事がほとんどでしょう。
特に最近はスマホの普及で、その傾向は更に強まった気がします。
スピルバーグ監督は、アメリカ社会はもちろん現代社会に対してそう言った趣旨のメッセージを本作から伝えようとしていた可能性も大いに考えられます。
ビクターの空港内での行いを振り返る
ちなみに本作を通してビクターが人々に対して行ってきた行いを振り返ります。
- キャリーケースが閉まらず困っていた女性を助けようと試みた
- 床のワックスで滑り、転倒したアメリアに手を差し伸べ、靴バーゲンのチラシを渡した
- 許可証の無い薬を持ち帰ろうとしていたロシア人に助けの手を差し伸べた
ビクターは常に希望を持ち、「自身の目的(ニューヨーク到達)」を果たすために常に前向きでした。
彼の親切な行いはその前向きな気持ちの表れとも言えます。まるで周りの人々に対して希望を振り撒くように。。
ちなみにロシア人を何故助けたのか、「ヤギの薬」が持つ映画的メッセージに関しての考察は以下別記事にまとめました。
お時間ある方はこちらも是非見ていってくださいね。
まとめ
本作はクスッと笑える場面も多いヒューマンドラマですが、見返すほど「人生における大切なものは何なのか」を視聴者に訴えているようにも感じました。
何もかも上手くいかず、疲れてしまった時ほどこの映画を思い出して欲しいです。
時には「自分や他人を信じてみること」が大切なのかもしれません。
お読みみいただき、ありがとうございました。
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