この記事は、すでに「リトルプリンス 星の王子さまと私」をご覧になった方向けに書いています。
内容としてはネタバレを含みますので、まだご覧になっていない方は是非映画をご覧になった上で改めて戻ってきてくださると幸いです。
「星の王子さま」の原作はフランス生まれ
もとの原作のストーリーはというと、フランスで生まれたサン=テグジュペリという飛行士の方が書き記した小説です。
ちなみに神奈川県の箱根には、この物語を題材とした「星の王子さまミュージアム」があります。
星の王子さまのストーリーを気に入った方なら、行けばきっといい思い出になると思いますので気になる方は是非こちらもチェックしてみてくださいね。(デートスポットとしても最適です。)
「バオバブの木」って何?

劇中に出てくる「バオバブの木」ですがそのなんともチャーミングな名前から気になっている方も多いのではないでしょうか。
バオバブの木は勿論実在しておりますが、主にはサバンナ地帯に多く分布しているとされています。
花言葉は無いですが、セネガルの言葉では「一千年の木」という意味もあるようです。
また名前の由来としては、16世紀ごろに来たアフリカを旅していたイタリア人の植物学者の方が「バ・オバブ」著書に書き記したことが名称の由来とも言われています。
何度も観れば観るほど、セリフの奥深さが感じられる映画
劇中に出てくる数々のセリフは、観る回数を重ねれば重ねるほどその意味を考えさせられるように感じました。
また子供にもわかりやすいような言葉で、人生観として大切なことは何かを教えてくれるような映画でもあり、子供にも大人にも見て頂きたい、そんな内容の映画ですよね。
仮に子供の頃に原作である「星の王子様」の絵本を読んだことのあるという方でも違った視点で見ることが出来るのがこの映画の魅力でもあるでしょう。
「超せっかち社会」を生きる現代人へのメッセージ
以前、テレビ番組でも特集されていたところを見ましたが、最近の世の中は本当にせっかちな方で溢れています。もちろん自分自身もせっかちだとは感じていますが、これは世の中自体が全体的にせっかちなのも、自身がこういう正確になったのには多少なりとも影響しているんじゃないかと私は感じます。
その番組の中で紹介されていたデータとして、「現代人が視覚から得ている情報量一日分は平安時代の人だと一生分。」や「最近の流行りのヒットソングは前奏やイントロが非常に短いものばかり」と言ったものが挙げられていましたが、確かに思い返すと納得できますよね。
この映画に出てくる「大人」の人々の生活は、まさにそんな超せっかち社会を揶揄しています。
主人公のお母さんやビジネスマンの星にいた「大人」たちの生活は決して他人ごとではなく、現代の私たちの生活そのものです。
私たちはお金や学歴、名誉や賞賛を得るために少し盲目になってしまっているのかもしれません。
人生は何のためにあるのか、仕事は何のためにする物なのか、改めて考え直す必要があるように思えますね。
「本当に大切なものは目には見えない」
劇中にも出てくるキツネくんのセリフは非常に印象的ですよね。
キツネくんの言う「大切なもの」は様々な意味を含んでいると思います。
王子とキツネくんの間に生まれた友情や絆、または愛情や思いやり優しさなど。
挙げるとキリがないですが結局人生を充実したものにする為に本当に必要なものって、そう言った目に見えないものですよね。
想像してみてください。いくらお金や名誉があったとしても、あなたのことを誰を愛さず友達として認識もしていない、そんな孤独な人生は非常に寂しいものでしょう。
ですが、現代の人間社会を生きていると自然とそう言ったものを忘れてしまいそうなくらい忙しい日々が待っています。仕事に奔走しすぎて自分の人生に本当に大切なものはなんのか、何のために働いているのか、忘れないように心がけていくことが必要なのかもしれません。
【ラストシーン】おじいさんは死んでしまったのか?
この映画のラストでは、「完璧な人生を送るため」に常に徹底したスケジュール管理のもと生活していたあのお母さんと主人公少女が一緒に星を眺めているシーンで終わります。
この場面で、空の星が映ると同時におじいさんと星の王子さまの笑い声がうっすらと聞こえてきましたよね。この場面に関しては様々な解釈が出来ますが、もしかしたらおじいさんは入院したご病気かなにかが関係して、そのまま帰らぬ人になったのかもしれません。
この時にもし主人公の少女が「星の王子さま」の物語りを読んでいなければ、「もう二度とおじいさんには会えない」「きっと大人になったら自分も仕事や様々な重圧に追いやられてすべて忘れてしまう」と絶望に暮れていたかもしません。
しかし、この物語を知ったことで少女は成長しました。
最後病院でおじいさんが言っていたように「大切なものが心で見ることができる、素晴らしい大人」になるための大きなステップを踏み出したのかもしれません。
「死」は決して「完全な別れではない」。この映画ではそういったメッセージが含まれていると私は思います。
「その人との思い出をすべて忘れずに、心で見た時に、本当に大切なものが見える。」このセリフにある「大切なもの」は友情なのか愛なのか、それは一概には言えません。
でもその人自体が完全になくなってはいなくて、「目に見えない大切な何か」は必ず残り、そばに居続ける。そう捉えれば悲しみも少しは乗り超えられるのかもしれませんね。
この映画が伝えるメッセージは、あのティムバートン監督の名作「ビッグフィッシュ」のラストシーンでも似たものでした。
まとめ
この映画は一見子供向きの映画と捉えやすいですが、かなり大人向けに作られているように思います。
あなたの周りの大切な人を失ってしまったときや、仕事に没頭しすぎて疲れてしまったとき、または人生を何のために生きればいいのか分からなくなってしまったときに見たくなる映画です。
また時間を置いてから改めて見ると違う視点で観れるのも映画の魅力です。
思い出した時に、みなさんも見直してみてくださいね。
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