「最高の人生の見つけ方」は2007年公開のアメリカ映画です。
本作は原題「the bucket list」(棺桶リスト)の通り、余命の差し迫った二人の男がリストの項目を達成していく物語です。
しかし終盤に差し掛かるにつれて案の定、(カーターの)病状は悪化。
最終的には、映画冒頭で視聴者の予想していた形とは異なる結果でリストを完遂しました。
今回はその中でも意外な結末として描かれていた「世界一の美女とキスをする」の項目について触れていきます。
【考察】それぞれの形で完遂した「世界一の美女とのキス」
本作のラストシーンを振り返ってみますと、主人公の二人は以下のようにそれぞれの”世界一の美女”とのキスを果たすことが叶いました。
- エドワード→絶縁していた娘の子供(=孫)との抱擁のキスを果たす
- カーター→カーターの死後、最愛の妻・バージニアとのキスを果たす
映画冒頭では叶えることが不可能に思えていたこのリスト内容でしたが、二人の近くに”世界一の美女”はいました。
どちらかと言うと、
エドワードに関しては勇気を出して踏み出せなかった娘に会うことが出来たおかげで孫娘が彼自身にとっての”世界一の美女”だったことに気がつき、
カーターに関しては妻との愛や絆、妻の大切さや存在の尊さを再認識する形でリストの達成を果たしました。
カーターの残した言葉の意味とは

カーターはエドワードへの手紙で以下のように言葉を残しました。
「あんたは皆と違うと以前言っていた。その通りだ。だが同時に皆の中の一人でもある。牧師が言うには、我々は皆同じ川に向かって流れている。その滝の天国だと。人生を楽しんでくれ。親愛なる友よ。目を閉じて、水の流れに身を任せるのだ。」
カーター
カーターの話にもあったように、どんな大物でも金持ちでも人は誰しもが必ず「死」と言う終着点に向かって常に流れています。
カーターの言葉が伝えたかったことは、
”人生を楽しみ、あとは死を受け入れることが出来れば物事はうまく運ぶ”と言う意味だったかもしれません。
現に本作終盤でも、カーターはバージニアと夫婦に戻れ、最後には彼自身の世界一の美女であったバージニアとのキスを死後とはいえ果たすことが出来ました。
一方エドワードも娘との再会を果たし人生における喜びを発見し、まさに人生を楽しみました。そして”水の流れに身を任せる事”が出来た時、執事であったトーマスのおかげで最終的に残されていた棺桶リストの項目、「エベレスト登頂」を達成することが出来ました。
ラストシーン、少し笑みを浮かべならもエドワードの為にミッションを達成し、どこか呆れたような表情を浮かべる場面は、本作の代表的シーンの一つと言えるでしょう。
病室にて、まだやり残しているリストを見て二人は以下のように会話をしていました。
エドワード「一緒にやらないと。」
カーター「あとは頼むよ。」
一度は離れ離れになった二人でしたが、最後はともに「川の流れに身を任せ」エベレストの山頂で合流を果たすことが出来たという本作の締めくくりは、物語としての満足度の高さを底上げしてくれました。
まとめ
本作の邦題は原題とやや意味が異なります。
「最高の人生の見つけ方とは何か」
この問いに対する答えは一つとは言えませんが、
「あなた自身の身近な大切な存在に気づき、その人自身と喜びを与えあう事」
という捉え方もできると思いました。
本作を鑑賞したことで、あなた自身の人生にも何かいい変化があることを祈っています。

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