映画「最強のふたり」は2011年公開のフランス発コメディドラマ映画です。
そんな「最強のふたり」に出てくる主人公的立ち位置にいる黒人青年ドリスは良くも悪くも個性的であり、かなり印象に残るキャラクターですよね。
今回はそんな黒人青年ドリスの生い立ちや、フランスの移民事情などについて触れていきます。
ドリスの生い立ち
主人公のドリスは8歳の時に叔母に当たる「ファトゥ」に引き取られ叔母のもとで育てられます。
しかし子供が授からず困っていたファトゥ夫婦ですが、養子を取ってから子供を授かり、さらに再婚相手との間にも子供が出来てしまったがために最終的には劇中に合ったように子供だらけの大家族で団地に暮らすことになりました。
その為、決して裕福な暮らしはできず貧困な家庭で育つことを余儀なくされました。
学がない、いわゆる「不良」的人間に育ってしまうのも無理は無いでしょう。
また、就職もせずにプラプラと遊びまわっていたのもそのあたりが多少影響しているのかもしれません。劇中でフィリップと出会ったきっかけの場面でも、失業手当をもらうための一筆をわざわざ面接を受けることでもらおうとするという、よく言えば「ずるがしこさ」が現れている場面もありました。
フランスは移民が多い
フランスは日本と比較すれば一目瞭然に移民の割合が多いです。
日本の場合は国民の1.6%が移民なのに対してフランスでは国民の12.09%が移民だという統計データ(2015年)が出されています。
世界規模で見ていくと決して上位ではありませんが、日本に住んでいる私たちからすれば100人中12人移民の人がいる学校と言うのはかなり違和感ありますよね。
逆に言えば日本はかなり移民が少ないというのもあります。(日本は陸続きじゃなかったりと地形の影響もありそうです。)
またフランスはそのお国柄的にも「人種差別思想」が少し強い一面があります。
映画に出てくるドリス自体も、そういった移民や黒人を代表させた存在として描かれているのかもしれません。
フランスの治安
フランスは日本と比較すると決して治安の良い国とは言い難く、一部地域では以下のような「スラム街」に近い環境があるのも事実です。
パリに20ある区のうち、観光地の多い1~8区ではスリが多く、不良集団が出没する10区や18~20区ではひったくりや強盗事件が起きることも。それ以外の区でもぼったくりや交通事故など、身近な危険には注意するようにしましょう。
作中でドリスの犯した蛮行
ちなみに映画内でドリスが犯した蛮行は以下の通りです。
- スポーツカーで公道を猛スピードで走らせ、警察に捕まりかける
- フィリップの家に置いてあった「卵型」の置き物を盗む(結果フィリップにはバレる)
- マリファナを愛用し、フィリップにも吸わせる
- 芸術品に対して、「白バックに鼻血付けただけの絵」と揶揄する
- 食べていたチョコをフィリップにあげず、「これは健常者用だ」とブラックジョークを浴びせる
- フィリップ邸の門の前に車を停めていた男性に対し罵声を浴びせ胸ぐらを掴む
他にも細かいものまで挙げると沢山ありますが、こうやって文面だけ見ると行動はもはや普通のヤンキーです。
ですが、こう言った荒々しさや非日常的なことをやってのけることが逆にフィリップにとっては良い刺激になったのかもしれません。
そして何よりも、ドリスがフィリップに対して「障害者扱い」や「変に特別視」することなく同情をしていないという証でもあります。全ての行動の根底にはドリス自身の不器用な優しさが隠れているような気がします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
先ほども少し触れたように、ドリスは移民や黒人を象徴するキャラクターとして、フィリップは障害者を象徴するキャラクターとして、基本的には交わることない2人が絆を深めていくのがこの作品の特徴です。
ドリスの、いい意味で常軌を逸した発言や行動は見ていて元気をもらえます。
少し疲れた時など、元気を出したい時におすすめな映画ですよね。
また観たくなった方は、是非見直し鑑賞してみてくださいね。
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