【ネタバレ】「ビューティフル・マインド」のあらすじ・感想・考察をすべて解説!

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ビューティフル・マインド

「ビューティフル・マインド」は2001年に公開されたアメリカの映画です。

実話をもとにして作られた本作品は、ゆったりとした冒頭の展開からは予想も付かないようなまさかのストーリーに、初めて観た時は個人的にはかなり驚かされました。

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作品情報

監督

ロン・ハワード(Ron Howard):過去制作した有名作品としては「シンデレラマン」や「バックドラフト」、「アポロ13」などが挙げられます。

主演・キャスト

ジョンナッシュ役:ラッセルクロウ

アリシアナッシュ役:ジェニファーコネリー

チャールズ(幻覚)役:ポールベタニー

受賞歴

  • 第74回アカデミー賞
  • 第59回ゴールデン・グローブ

公式予告編

「ビューティフル・マインド」あらすじ解説!

以下からはネタバレを含みますのでご注意ください。

引用元:Facebook公式

「天才変人ナッシュ」と「マーティン・ハンセン」

時系列は1947年、まさに第二次世界大戦が終結した直後の時代のストーリー。

そのころの数学者は、”日本軍の暗号を解き明かし、原子爆弾をも作り出した偉大な人々”と称賛され、高く評価されていました。

そして当時のアメリカにとっての新たな脅威は「ソ連」。ソ連は世界の共産化を目指しており、医学・経済学・テクノロジー・宇宙開発など様々な分野において、米ソの競争は激化していました。

そこで数学者に求められていたのは「学術的な結果」とされ、新たに入学した学生たちは期待と同時にプレッシャーも感じていました。

ちなみにですが、実際一部のアメリカ人は「原子爆弾の使用や開発は、それ以上の無駄な犠牲を増やさないためにも必要な兵器であった」と原爆自体を肯定している派閥の方も一定数居るのが事実なようです。

タケオ
タケオ

この考えに関しては日本人として、若干の違和感を覚えたとしても仕方ないですね…。

丁度そのころ、プリンストン大学に奨学生として入学したナッシュとマーティンハンセンでしたが、ハンセンは人付き合いの苦手なナッシュのことを「ウェストバージニアの謎の天才」と呼び、バカにしていました。

ちなみにプリンストン大学はアメリカの中でもかなりの名門大学だそうです。

外部サイト:プリンストン大学

”ルームメイト”チャールズとの出会い

そんなナッシュのもとに、ある日ルームメイトと名乗る謎の男チャールズが現れます。

チャールズはナッシュとは真逆な性格で、やや不良チックな破天荒な男です。そんなチャールズにナッシュは不思議と心を開き、ナッシュは良くも悪くもチャールズに振り回されます。

しかしそうして授業や教科書の古く遅れた考えを暗記することに意味を見出せず、とにかく独創的なアイデアを見出すことに固執していくナッシュは、さらに周囲から孤立していきます。

周囲の同級生たちも、特にまだ何も論文を出していなかったナッシュに対してより圧力をかけていきました。

そんな周囲の振る舞いに対して焦りを感じだすナッシュでしたが、そんな時も常に味方で居てくれたのは唯一、ルームメイトのチャールズでした。

ナッシュの自己評価とは裏腹に教授側の評価は低かった

そんな矢先、大学では教授により各生徒の過去半期の中間評価が終わろうとしていました。

ナッシュは「ウィーラー研究所」への志望を熱望し、他は眼中になかったのですが授業への出席も論文も出していなかったナッシュではそれは全く難しい状況でした。

現実を知り、落胆するナッシュでしたが無理もありません。ナッシュは自傷を図りますがそんなときも真正面からぶつかり相談を受け止めてくれたのはチャールズでした。

チャールズは、

「お前は壁にぶつかってなんかいない。壁の外にある。」と伝え、ナッシュの部屋のテーブルを窓から外に落としました。

チャールズの助言もあり、ある理論にたどり着くナッシュ

そんなこともあり、外に出たナッシュは行きつけのバーに向かいます。バーにはナッシュを馬鹿にする同級生や以前ビンタされて振られてしまったブロンズの美女たちがいました。

同級生は、ナッシュに対してアダムスミスの経済論を持ち掛け、美女に再アプローチするようにけしかけます。しかしその時、ナッシュはアダムスミスのの経済論に欠点があることに気づくのでした。

ナッシュは、

全員がブロンズの美女を狙えば互い競合してしまい、誰もモノにすることはできない上にその後にその女友達に声をかけても「2番目に声をかけられた」と知れば成功率は下がると考えます。そこで誰も一番美人のブロンズに声をかけなければ、全員が女性と寝れるのではないか?と理論を語りだします。

これをきっかけにナッシュは支配力学の論文を作成します。これはのちに「ナッシュ均衡」と呼ばれる有名な理論として世に残ることとなります。

この理論は150年もの経済学の歴史をも覆すまさに”画期的な理論”でした。

それを称賛されたナッシュは、ついに教授からウィーラー研究所への推薦を受けることとなり、念願を叶えるのでした。

ナッシュはそのまま「ウィーラー研究所の主任」となる

主任となったナッシュのもとにはモスクワから傍受した無線から考えられる暗号を読み解く任務を課されます。

ナッシュは数字の羅列を持ち前の集中力で読み解いていきます。そしてナッシュはそこに、アメリカへの潜入ルートを示した暗号が隠されていることを見つけるのでした。

軍部からも同僚からも賞賛を受けるナッシュでしたが、蓋を開けてみれば”4年の間に2度しかペンタゴンに呼ばれていない”という事実にナッシュは不満を抱いていました。

念願のウィーラー研究所での生活は期待していたよりもナッシュにとっては面倒なもので、その一つに「学生への授業を受け持たなければならない」決まりがありました。

ナッシュは、エアガンが故障して暑がっている学生の意見を優先せず授業を始めます。外では工事が行われていた為、窓が開いていてはナッシュは大声を出して授業しなければならず、ナッシュはそれを嫌いました。

そのため窓を閉め、授業を開始したナッシュのもとに、生徒であるアリシアが遅れて教室に登場しますが、大胆な行動に出ます。

アリシアはいきなり窓を開けたかと思うと、工事作業員に向けて「エアコンが壊れていて窓を開けたいが騒音がうるさくて困っている。45分間くらい、別のところで作業を出来ないか」を巧みに打診しました。

この見事な対応にナッシュはあっけに取られ、ナッシュの印象にもアリシアが残り始めるきっかけとなりました。

謎の男パーチャーとの出会い

授業を終えたナッシュの元に、全身黒ずくめの影の男「ウィリアム・パーチャー」が現れます。

パーチャーはCIAのスパイでした。そして過去には「マンハッタン計画」にも携わったことのある人物と名乗りました。

パーチャーはナッシュのことを秘密の基地に案内し、「ソ連の小型原子爆弾」の脅威からアメリカを救うための暗号解読任務を任せます。

解読した暗号は、ケンブリッジの指定されたある館のポストに投函する決まりでした。

そしてそんな任務を進める最中、ナッシュとアリシアは距離を縮め、関係を深めていくのでした。

極秘任務を隠しながら始まったアリシアとの結婚生活

そんな中、大学でいつも通り暗号解読をしているとチャールズの姪とされる女の子がチャールズと共に現れます。

ナッシュは、チャールズにナッシュのことを伝えます。結婚するべきかどうかも相談しました。そんなときでもチャールズはナッシュの後押しをしてくれます。

その後ナッシュはレストランでプロポーズをしアリシアと結婚します。結婚してからもパーチャーとの極秘任務の事情は話さずにいました。

そんなある日、いつも通り解読した暗号を館のポストに投函していたところ、何者かに尾行されていることが分かりパーチャーと共に逃げます。銃撃も受け、怪我はなかったものの身の危険を感じるのでした。

動揺をしたナッシュはパーチャーに対して任務を降りたいと伝えます。

日常生活でも怯えながら暮らすことに精神的ストレスを強く感じていました。

しかしパーチャーは、「君が仕事を辞めれば、我々もソ連から君を守るのを辞める」とそう伝え、ナッシュは途方に暮れるのでした。

そんなナッシュのそばにいたアリシアは、ナッシュの不自然な様子に疑問を抱きはじめます。そしてその夜、アリシアはあるところは一本の電話をかけるのでした。

ローゼン博士との出会い

ある日、大学で授業をしていたナッシュはパーチャーを見かけたことで授業から逃げ出します。

しかし逃げた先で、精神科医を名乗るローゼン博士に捕えられて鎮静剤を打たれ、連行されてしまいます。

これこそ、アリシアの連絡した先のローゼン博士でした。が、ナッシュ本人はロシア人が連行しに来たと勘違いをしていました。

ローゼン博士はロシア人なんかではなく、アリシアから連絡を受けてナッシュの前に現れた正式な精神科医でした。

ナッシュは本人が気づいていないだけで、「統合失調症」を患っていたのです。

遂に明かされた真実

ナッシュは統合失調症により、幻覚を見ていたことが発覚します。

明かされた事実は、

  • 大学時代のルームメイト チャールズ
  • 影の男 パーチャー
  • チャールズの姪の女の子

上記の3人が全て幻覚から見えていた存在であり、実在はしていなかった。という事実でした。

タケオ
タケオ

ただ、あれだけリアルな幻覚が本当に現れたら、気づかなくてもおかしくないですよね…。

そして妻アリシアもすぐには受け入れられませんでした。

そこでアリシアはナッシュの研究所の部屋と、夜な夜な暗号を投函しに行っていた館に向かいます。

部屋の中には無数のメモが壁に貼られた状態で、そこには異様な光景が広がっていました。また、例の館も廃墟となっており、ポストの中にもナッシュが投函してきた書類が山積みに溜まっていたのでした。

これで遂に悟ったアリシアでしたが、涙ながらにそれを伝えてもナッシュ本人からすればさらに訳がわかりません。ナッシュは「腕に埋め込まれたはずのラジウムダイオードのコード」を探そうとします。

ただ当然全て幻覚であった為、腕からは何も出て来ませんでした。

そうしてナッシュは精神病院にて長く辛い治療を受けることになります。

退院後、妻・子供と自宅療養

退院後、家族と共に自宅療養をしていたナッシュでしたが、薬の影響から無気力な状態が続き、妻を悲しませてしまいます。これがきっかけとなりナッシュは独断で薬を飲まなくなります。

薬を飲まなかったことでまた現れ始めたパーチャーを前にナッシュは「関わるな!」と拒みますが、パーチャーは「極秘任務にはどうしても君が必要」とそう伝え、自宅裏にあった小屋の中に連れていくのでした。小屋の中には幻覚上の秘密基地が広がっており、ズルズルと幻覚の世界に再び連れ戻されてしまうナッシュは、彼自身も最早どこまでが現実でどこからが幻覚なのか分からなくなっていました。

しかし、ようやく幻覚で現れる彼らの”違和感”に気づいたナッシュは、遂に治療に本腰を入れる決意をしました。

タケオ
タケオ

病院に入院もせず治そうとしたナッシュの覚悟と、アリシアとの絆は感動ものでしたね。

周囲の人に支えられながらの療養生活

療養のかいあって、症状が少し落ち着いたナッシュはかつてのプリンストン大学へ向かい、昔のライバルでもあったハンセンに「大学で授業を受けもてないか」相談しました。

ハンセンの優しさもあり、授業に参加させてもらえたナッシュでしたが、病気の影響もあり周囲の学生からは馬鹿にされることもありました。

しかしナッシュは図書館で1人、研究を続けるのでした。

そんな日々が続いたある時、ナッシュのもとに1人の学生が歩み寄りました。

この時ナッシュは初めて、学生に真摯に教えることをします。それも優しく、ユーモアを交えながら。

これを見たハンセンとアリシアは安堵し、喜びました。生徒の数は増えていき、ナッシュを囲むようになっていきました。

そして、翌春には教壇に立つようハンセンから認められるのでした。

大学の教授として年老いたナッシュのもとに届いたもの

大学の教授となりすっかり年老いてしまったナッシュのもとにある日キング教授が声をかけます。

「実はあなたの名が、ノーベル賞候補に挙がってまして。」

トーマス・キング

ナッシュはまさかの事態に驚きを隠せませんでした。ナッシュの「均衡論」がついに公に評価されたのでした。

そしてナッシュは教授しか入れないティールームへ連れて行かれました。そこでキングと話をしますが、ナッシュは自分が病気(統合失調症)だからと卑下します。自分には賞がふさわしくないのではと考えたのでした。

しかしそのとき、一人の教授がナッシュ教授に声をかけます。

そして「万年筆」をナッシュの前に置きます。すると他の教授たちも一斉に周りを囲み、万年筆を置きました。ナッシュが夢にまで見ていたことが現実として起きたのです。

ノーベル賞授賞式でのスピーチ

そしてノーベル賞の授賞式が始まり、ナッシュは壇上で挨拶をします。

「数を信じてきました。方程式や論理に答えを見つけた。しかしそういう人生を経て、考えた。”真の論理とはなにか”。誰が答えを決める…?私は探求の旅に出て、妄想(幻覚)を経て、帰ってきました。帰ってきて、学者として最大の発見をしました。人として最大の発見です。愛と言う不思議な方程式においては、どんな答えも見つかる。ここにいるのは君(アリシア)のおかげだ。君が僕の答え。君がすべての答えだ。ありがとう。」

ジョン・ナッシュ

授賞式後、まだ幻覚の3人は見えていましたがナッシュは動じずにアリシアと会場の外へ歩み始めます。

ナッシュの理論は、通商、労使問題、石油事業、生物学にも応用できるほどのものでした。

「彼は今も、徒歩でプリンストン大学に通っている。」その解説とともに本作は幕を閉じます。

「ビューティフル・マインド」の感想

当作品を視聴して感じた個人的な感想は、

切ないながらも、人の温かさを感じられる映画だったということ。

初めて見たときは、あれだけ親しくしてきたルームメイトチャールズや、CIAの影の男パーチャーが「まさかの幻覚上の存在」であった展開には驚きましたし、恐怖すらも感じました。

そして統合失調症の影響で妻のアリシアとすれ違う場面も、ナッシュは存在しない架空の任務のために常に真剣であったが故の結果であり、なんとも切ない気持ちになりました。

ただ、そんなナッシュの元には最終的に多くの人が寄り添う形で、ナッシュは病気を抱えながらも周囲に支えられます。

ラストシーンでも、”幻覚の3人”は姿を見せていました。病気が完治することは無いにせよ、周囲の人々の優しさや温かさがナッシュを後押しした最大の要素と言えるでしょう。

「ビューティフル・マインド」の考察ポイント

ナッシュが♾を描いた理由

映画終盤、ナッシュが大学に復帰し、一人で研究に励んでいたシーンで

  • 自転車に乗りながら♾を描いている場面

があったと思います。これが何を意味していたかを個人的に考えてみました。

あくまでも個人的見解ですが、

おそらくこの場面の♾は「愛」や「人との絆」を表していたのではないかと捉えました。

ノーベル賞授賞式のスピーチでもナッシュは、「すべての答えは愛にあった。」と語っています。

幻覚に悩まされながら生きたナッシュの半生でしたが、常に不変だったのはアリシアの愛情や周囲の人々のナッシュとの絆や繋がりだったかもしれません。

あのシーンでの♾は、それを表していた可能性は高いです。

ちなみに、♾がテーマの映画といえば「ベンジャミン・バトン」も挙げられます。

ビューティフルマインドを気に入っていただけた方ならきっと楽しめる映画の一つだと思います。

まだ観れていない方は是非こちらもチェックしてみてください。

まとめ

本作は何度も観れば観るほどその良さが分かる映画の一つです。

一度目はまさかの展開に驚き、細かい伏線なども分かりづらいのですが、2度3度と見ていくとちょっとした場面や描写に隠された細かい伏線が多く仕組まれています。

まだ一度しかご覧になっていない方は是非、何度も見直してみてください!

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